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シンガポール・民族によってインスリン分泌量が異なる

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A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)の研究者によって興味深い調査結果が発表された。この結果は、健康意識が高い人々にとって、食生活をより良いものとする一助になるであろう。

調査結果によると、シンガポール人が炭水化物を多く含んだ食事を摂取したときに、民族によって同じ血糖値を維持するために必要なインスリン分泌量は、異なるという。インド系シンガポール人は、中国系、マレー系と比較して、最も多くのインスリン分泌が必要という結果になった。インド系シンガポール人は、二型糖尿病の発症率が高いため、この結果を受けて、炭水化物の少ない、もしくは血糖値を上げにくい食事をとることが推奨される。

血糖値に関するこれまでの研究は、主に欧米の白人を対象としていた。しかし、この調査をVerena Tanとともに行ったChristiani Jeyakumar Henry医師は、アジア人は欧米人と異なる表現型(遺伝子型の形質)を持ち、食事を摂取した時の代謝が異なると話す。彼が率いるSICS Clinical Nutrition Research Centre(CNRC)は、特にアジア人の代謝について研究をしている。

この調査にあたっては、それぞれの民族から25人、合計75人の健康なシンガポール人男性を被験者とした。彼らは、香り米(ジャスミンライス)、バスマティライスもしくは炭水化物の量がコントロールされた米を摂取し、血糖値やインスリン分泌量を食前、食後15分、その後30分間隔で測定した。その結果、インド系シンガポール人が中国系、マレー系に比べて、食後2時間、最も血糖値が高いという結果になった。
  
この結果を受けて、研究者たちは、インド系シンガポール人はインスリン抵抗性が高く、血糖値を通常レベルに下げるためにインスリンが過剰に分泌され、それがよりインスリン抵抗性を高くしているという仮説を立てた。「これは悪循環だ」とHenry医師は述べる。
  
血糖値とインシュリンの分泌量に影響を与えるもう一つの要因は、食物のGI値である。GI値は炭水化物を含む食事を摂取した時に、血糖値をどの程度のスピードで上昇するかを示す。比較として、純粋なぶどう糖もしくは白い食パンが基準となる。炭水化物を含んだ食物で、早く消化されるものは、一般的にGI値が高く、食後の血糖値を急激に上昇させる。一方で、消化が遅い食物はGI値が低く、血糖値の上昇率も低い。

香り米はGI値がバスマティライスと比べて高いため、民族の違いに関わらず血糖値とインシュリン分泌量が多かった。
  
アジア人にとって、米に代表される炭水化物は主食となるため、研究者はGI値の低い米を選ぶことが、二型糖尿病の発症を抑制すると話す。

もし、食物のGI値がわかる早見表のようなものがあれば、人々が食事を選ぶ際に役に立つであろう。Henry医師と彼のチームは、CNRCにおいて、東南アジア諸国でよく食べられている15の食品のGI値を公表した。その中には、中国の油条(小麦粉をこねて揚げたもの)や、ナシ・レマッ(ココナッツミルクで炊いたお米)や冷たい緑茶が含まれている。

参考ウェブサイト:https://biotechin.asia/2015/10/27/singaporean-indians-malays-and-chinese-produce-different-insulin-responses-to-a-bowl-of-rice/

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