マレーシア(Malaysia)

【国概要】

人口 3,026万人
面積 33万290㎢
年齢別分布 0-14 years:28.49%  15-24 years:16.91%  25~54 years:41.12%  55-64 years:7.84%  65 years:5.65%
一人当たりの名目GDP USD11,307.1 [2014]
一人当たり総医療費(年間) USD423 [2013]
病床密度 1.9床/ 1000人あたり [2012]
平均寿命 75歳(M:73歳 F:77歳)[2013]
製薬 マレーシアの医療用医薬品において、およそ半分の45%が公的医療機関を経て消費されており、公的部門の重要性が示唆される。国内市場におけるメーカー別売上高ランキングをみると、トップ10は全て外資系の企業で占められている。これは、タイやインドネシアと比べて地場製薬産業が発達していないことを示している。輸入されるジェネリック品が市場全体の69%を占めており、これはマレーシアの地場企業の生産能力が低いことを示している。

医療用医薬品の売上高の45%を占めている政府調達は、調達機関との価格交渉・入札制度によって価格が決定されている。また、ファーマニアガという政府系企業から優先的に公的医療機関で利用するジェネリック医薬品を調達するルートを確保している。

民間企業は自由に薬価を設定できるため、マレーシアの薬価は日本より高いことさえある。マレーシアの地場医薬品企業は規模が小さく、大手でも売上高が61億円となっている。民間企業に限っては2009年時点で年商30億円以下となっているため、これらの企業は民間病院やクリニックと言ったニッチ市場を狙った戦略をとっている。
病院 マレーシアのヘルスケアに対する支出は公立・私立病院共に増加しており、国民総生産(GDP)における医療費支出は6.6%(MYR約403億)を記録している。
タイとシンガポールに遅れを取りつつも、マレーシアは良質で低価格医療サービスを提供する医療観光の目的地となっており、医療観光でマレーシアに訪れる人数は2013年には770,134人に達している(Malaysia Healthcare Travel Council 発表)。そのうちの約6割の患者が北部のペナンに医療行為を受けに行くとも言われている。
2035年には人口に占める65歳以上の割合が10%を超えると言われており、2010年比で300万人増加すると予想されている。この現象に拍車をかけるかのように、マレーシアでは今後出生率が低下し少子高齢化が進むと言われており、将来の政府の医療費負担は更に増えると予想される。
マレーシアの病院ビジネスの4強は「IHH Healthcare Bhd」「KPJ Healthcare Bhd」「TDM Healthcare Bhd」「TMC Life Science Bhd」である。これらの企業は上場しており、収支面ではIHHがマレーシア最大と言える。その他多くの企業も国際認証を取得している。
介護 マレーシアの高齢者支援の担い手は、シンガポールやタイ同様、家族及びメイドの役割が大きいと言われている。特に、マレー系の家庭では、世帯人数が多い上、家族の繋がりが強いことから老人ホームや施設といったようなニーズは限定的であると考えられる。
マレーシアには介護保険制度など存在ないため、政府による金銭的支援は限定的である。しかし、一部に補助制度があり、一定の所得水準以下の高齢者には介護手当が存在するが、支援額は月額300RMと決して十分とは言えない額である。
介護サービスは大きく分けて自宅訪問型・通所型サービス・居住型サービスの3つに大別される。日系企業が比較的進出しやすいと言われているのは訪問型、次いで通所型・居住型である。マレーシアの家は大家族で家が大きいため、自宅で介護を受けることが可能である。しかし、メイドなど介護知識に乏しい人材を活用している為、高度なサービスを提供することのできる日系企業が入る余地があると考えられる。
医療機能を持たない介護施設では外資参入が100%可能である。
マレーシアはMM2Hのような日本人向け長期ビザの提供も積極的に行っており、将来的にはマレーシア在住の日本人の介護需要も増加する可能性がある。
海外進出にあたっての環境 2012年より、外国資本による診療所の100%所有、医療協会が認めた資格を有する外国人医療専門従事者の市立病院での勤務(歯科も含む)が認められるようになったため、日本から進出する企業が徐々に増加してきている。 しかし、医療機器販売・輸出入に関しての規制は強化され、販売を行うには法人ライセンスを取得する必要がある。深刻な医師不足が問題となっていることもあり、今後さらに規制が緩和される分野になることが予想される。
医療保険制度 マレーシアには公的な医療保険・介護保険・失業保険は存在しない。しかし、公立の医療機関での医療サービスについては政府からの補助があるため、患者の自己負担額は少ない。公立の医療機関については医療料金法に基づいて診療費が設定されており、わずかな負担で診察を受けることが可能(低所得者・公務員は無料)。雇用主が従業員のために加入する民間医療保険には様々なプランがあるが、入院・手術代のみをカバーするプランが主流である。
参考URL 【参照サイト】
・The world fact book https://www.edb.gov.sg/content/edb/ja/industries/industries/pharma-biotech.html
・日本貿易振興機構 https://www.jetro.go.jp/
・http://keieisha.zuuonline.com/archives/2055
・みずほ総研 http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/mif_159.pdf

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